家づくりコラム
- 構造
柱は4寸(12cm)でないと構造が不安定なのか?
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技術の進歩は目覚ましいものがあります
10年前、私達の生活においてスマートフォンのような機械が出現するとは夢にも思いませんでした。今ではあの小さな機械一つで情報を収集したり、買い物をしたり、ゲームしたりと生活にはなくてはならないものになっています。個人的にはそれだけに止まらず、仕事にも不可欠なものになっています。
これは建築の技術についても同じ事がいえます。昔では考えられなかった便利なものが開発され、今までの常識が非常識となっているところも出てきています。
話は変わりますが、木造住宅建築の構造は大きく2つに分かれます。
- 大工さんが材木を手で加工しながら大きな梁等を組み上げる構造
- 全て工場で加工(プレカット)された構造材を組み上げる構造
古民家で見かける立派な構造。私でも見入ってしまいます。(写真はフリー画像を引用)
共に同じ在来軸組工法という構造なのですが、弊社は下の工場で加工されたものを組み上げる構造を採用しています。(昔は工場で加工もする事がなかったので、これだけでもすごい技術の進歩ですよね。)
その前提で続きをお話します。
今まで太さは4寸(12cm)が当たり前とされていましたが、最近では3.5寸(10.5cm)も多く採用されてきました。構造的には4寸の方が座屈等の力の負荷・作用面では有利なのは間違いありません。では、3.5寸は構造的に弱いのでしょうか?
こと住宅に関していうと3.5寸でも十分であると個人的には思っています。3.5寸を採用する事のメリットとデメリットはこのような事が考えられます。
メリット
- 40坪くらいの延床面積の住宅では10万円〜15万円くらいのコストダウンができる
- 部屋がほんの少しだけ広くなる
デメリット
- もし柱の太さに気づく人がいれば、面白おかしく言われる可能性がある(周りの目が気になる)
上にも書きましたが、私の私見では、4寸であろうが、3.5寸であろうが、構造的な強度に驚くほどの違いは無いと思っています。理由が一番最初に申し上げた技術の進歩です。コンピューターでしっかり計算された強度(データ)を根拠に製材が加工され、人間の知恵で開発された補強金物でしっかり柱と梁は緊結・固定される事からそのように考えているのです。
金物でしっかりと固定された接合部(写真はフリー画像です)
それでも、もちろん私のお客様には4寸で最初はご提案します。同じ地域で営業している同業他社も4寸を多く採用している中で、最初から3.5寸を提案する事によって
- 自分は大事にされていない
- 予算が少なく足元を見られた
等のお客様に不快な思いをさせたくありませんので。
しかし、これまで述べたような事をしっかりお客様にご説明すると抵抗なく受け入れてくれる方もいらっしゃるのも事実です。減額になった分、断熱仕様をグレードアップさせる事も出来ますので、もし3.5寸仕様に違和感を感じないようであれば、このような選択肢も視野にいれてみてはいかがでしょうか?