家づくりコラム
- 屋根
【瓦と板金】屋根にどちらの材料が適しているようでしょうか?
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どの仕上材が一番屋根に適しているのでしょうか?
大切なマイホームを雨から守ってくれる【屋根】
よく採用される仕上材としてはこれらのものがあげられます。
- 瓦(和風・平板・S瓦)
- 板金(GL鋼板)
- スレート瓦(コロニアル)
ベランダやバルコニーにはシート防水やFRP防水等もありますが、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。
さて、これらの仕上材の違いをご存知でしょうか?
おそらく住宅メーカーが推奨する仕上材を採用する方が多いと思いますが、納得して採用するのと言われるがままの材料を採用するのとでは満足度も変わってくるはずですので、今日はこの3種類の仕上材についてご紹介したいと思います。
瓦
七尾周辺だけでなく、全国的に採用率の高い仕上材です。主な種類としては和風家屋にマッチする和瓦、洋風外観にマッチする平板瓦、輸入住宅をイメージした外観にマッチするS瓦があります。瓦のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
- メンテナンス性に優れている
- 遮音性が良い
- 断熱性が良い
- 塩害(潮風)に強い
デメリット
- 屋根が重くなるので、躯体の補強が必要
- 強風等で屋根が傷んだ場合の補修費用が高い
- 緩い傾斜には使えない(外観上の制限が課される)
その他2つの仕上材に比べて定期的なメンテナンス(塗装)をする必要もない(※)事やメリットからデメリットを差し引いてもメリットの方が大きいので広く採用されている材料です。
※メーカーからは定期的な塗装を推奨されていますが、実際定期的に行っている方は少ないので、そういう意味ではメンテナンス費用はそれほど変わらないのかもしれません。
板金
弊社の物件でも多く採用されはじめてきた仕上材。人気建築家や設計事務所の方が設計する建物にはほぼこの仕上材が採用されておるいイメージがあります。
メリット
- 緩い傾斜で採用できる
- 屋根が軽いので耐震上有利
デメリット
- 遮音や断熱についての対策が必要(費用増)
- 定期的なメンテナンスが必要になる可能性がある(※)
- 塩害に弱い
このように瓦で上げたメリットとデメリットが逆転したような材料です。最大の利点は【緩い傾斜】にあります。屋根をシンプルな片流れ形状にする事によってコストダウンを図りつつ外観も整える事ができるからです。
最近の家づくりのトレンドの一つとして【建物の高さを抑える】という事があげられます。瓦は板金に比べると傾斜がきついため、片流れの屋根はどうしても2階が大きくなって(屋根の高さが高く)なってしまいます。
またもう一つの家づくりの傾向【1階が大きくて2階が小さい間取り】にも緩い傾斜が役立ちます。瓦の場合、傾斜がきつくなる事によって高く上ってきた1階の屋根が2階の窓を設置不可にさせてしまう事もあるからです。(この場合は天窓等でクリアします。)
コストは瓦に比べると若干割高ですが、最近とても人気の仕上材です。
スレート瓦
一時期は多くの採用率を誇りましたが、一気に広がりすぎた為に不具合事例(屋根の色落ち、材料の劣化等)も同時に多く報告されてしまった材料です。もちろん今では製品も改良されており、安心して採用できる仕上材となっていると思いますが、弊社としてもあまり採用をご提案していない事もあり詳細については理解しかねるところもあります。
以上の事から、実はどれが仕上材に適しているのか?という答えはありません。地域(塩害が発生する地域等)が違ったり、外観の趣味嗜好、機能面等で何を優先するのか?によってオススメする材料が変わってくるからです。
しかし、屋根は瓦ではないとダメ。板金の方が優れているといった一方的な先入観は払拭できたのではないかと思います。モノには良い面・悪い面の両方が備わっていますので、どちらが自分たちの価値観にあっているのかを住宅メーカーの担当者さんと一緒に検討してみてくださいね。