家づくりコラム

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マイホームを取得する前に知っておいて欲しい住宅ローンの事

明星光紀
更新日

持ち家はただ持てば良いというものではありません

老後の暮らしのことを考えると「自分の家を持っていた方が良い」と考える人が多いと思います。確かに賃貸住宅(以下:賃貸)で暮らし続けると生涯ずっと家賃が支払い続けなければいけないし、そう考えるのは当然かもしれません。

仮に家賃を支払い続けた場合の金額を試算してみると、家を持つことによってかかり続ける固定資産税やメンテナンス費用、光熱費を合わせた額よりも多額の支出をしてしまう可能性もあります。

また賃貸の場合、保証人を誰に頼むかという問題も発生するし(保証人が不要な時は毎月1000円弱程度の保証料を保証会社へ支払う事もあります)、家主さんの立場で考えると死亡リスクが高い方に部屋を貸すことに抵抗を感じてしまう事もあり、高齢になるにしたがって部屋も借りにくくなってしまいます。

かといって、絶対に家を持たなくてはいけないのかというとそんな事はありません。そこで今日は賃貸ではなく持ち家をという選択肢を選んだアナタにしって欲しい住宅ローンの組み方についてご紹介します。

定年を意識した返済計画をしましょう

ここまで賃貸についてネガティブば事を書きましたが、だからといって家を持てば良いのかというと一概にはそうは言えません。

65歳以降、夫婦で生活する為に必要な生活費は、平均的な金額で225,000円/月と言われています。ところが、この金額に住居費は含まれていません。

したがって、賃貸にお住まいの場合は生活+αで家賃が発生することになるし、持ち家の方であれば固定資産税やメンテナンス費用が発生することになります。

ここで一旦考えてみてください。

もし定年までに住宅ローンが完済出来なかったとしたら、生活費に加えて住宅ローンの毎月の支払いが必要となってしまいます。

つまり、持ち家を持っていたとしても定年時(退職金等)でローンを完済出来ていなければ、ローンを完済出来るまでの間は賃貸で暮らしているよりも余分な出費がかさむことになり、厳しい家計になってしまう可能性が出てきてしまうのです。

お金を借りやすい今の状況だからこそ今一度しっかり考えましょう

七尾市や中能登町で家づくりをする場合、住宅ローンを借りる先として有力なのが民間の金融機関です。民間の金融機関の住宅ローンは完済年齢を76歳に設定していたり、最長40年返済を組める事が可能な商品となっています。

長期間返済のローンを組める事から毎月の返済金額を抑えられる事が可能になり、住宅メーカーの担当者や金融機関の担当者からは「もっと予算(借り入れ金額)を増やしても大丈夫だ」と言われるかもしれませんし、実際借りる事も可能だと思います。

でも本当に借り入れ金額を増やしても良いのでしょうか?

予算を抑えるためにはバランス良く配分することが大切

予算を抑えるためにはバランス良く配分することが大切です。自分にとってのベストな予算を知るためには、まず資金計画を練る事が必要となります。ところが、資金計画をした結果、思っていたよりも家づくりの予算を削らざるを得ないとなった事態も発覚するかもしれません。そのような場合は一体どのすれば良いのでしょうか?

建築費用をどう抑えるか

建築費用を削減するとなると真っ先に頭に思い浮かぶのが「家本体を工夫して予算を落とす事」だと思います。しかし、家だけで予算を削減しようとしても、そこまで大きな削減にもならない可能性が高いですし、削減方法を間違えてしまうと非常に住みにくくなってしまったり、品質(性能)の悪い家になってしまうかもしれません。

そうならないためにも家だけに負担を強いるのではなく、土地取得費用や庭(外構工事)にも負担を分散することを考えると良いと思います。具体的にいうと、取得する土地の費用を抑えたり、外構工事を極力なくすような家の設計や配置をするという事です。

最後に

今日ご紹介したように、持ち家という選択肢を選んだのであれば、住宅ローンについてもしっかり考える事が必要となります。76歳までに完済できない場合は【土地、家、庭】の3つの予算をバランス良く削減していってみてはいかがでしょうか?

理想の住まい以前にこのような理由で土地探しをされる方も少なからずいらっしゃると思います。

このような場合、どうしても土地取得費用を削減するのは難しいかもしれませんが、今日ご紹介した事も踏まえてゆっくり検討して後悔のない家づくりを行ってくださいね。