家づくりコラム

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床下収納は過去の遺物なのでしょうか?

明星光紀

床下収納の採用率はなぜ減っているのでしょうか?

床下収納庫ってご存知ですか?

このような質問が出てくるくらい最近の家づくりでは床下収納庫をご提案する事がなくなりました。床下収納庫とはこのような製品の事を言います。

床下収納庫(引用元: DAIKEN HP

上の写真のように床下にお料理の時に使うようなビン類や保存食品等を収納するととても便利なので、物で溢れやすいキッチン廻りの足元に設置する事が多いのが特徴の収納です。一見便利そうなのになぜ最近は提案されなくなったのでしょうか?今日はそのメリット・デメリットについてみていきます。

床下収納のメリット

キッチンの収納が増える

先にも書きましたが、何かと物で溢れるキッチン廻りにおいて、キッチンの引き出し+αの収納空間として利用する事が出来ます。保存食品やペットフードを入れておくとペットのいたづら(盗み食い)対策にもなりますし、お鍋やカセットコンロ、ホットプレート、カキ氷機等といったを1年に数回しか使わないけど嵩張るものを入れておくとより便利に使えると思います。

点検口として利用できる

収納庫を持ち上げると床下の点検口としても使えます。

ペットフードの保管に最適

食欲旺盛なペットを飼っている方(筆者もそうです)なら共感して頂けますが、ペットは常に盗み食いの機会を狙っています。ペットフードはそれなりに嵩張るし、臭いの問題等もあるので、床下収納で保管するとこれらの問題を全て解消出来ます。

床下収納庫のデメリット

蓋がガタついたり、若干なかがらも段差ができる

キッチンは左右に移動しながら家事をする事が多い事から足元の収納庫の蓋を踏む度に蓋がガタガタと動く可能性があります。また、収納庫の周りを木材で補強して設置する事から踏むたびにギシギシと音が鳴る可能性もなきにしもあらずですし、施工の関係上枠材をつけますので、若干ながらも段差が生じてしまいます。このような事が気になる方が多く、採用を見送る方が多いようです。

なんでもかんでも収納できる訳ではない

床下は1年を通して涼しいという特徴がありますが、その一方で湿度が高いためカビが発生しやすい場所でもあります。しかも、キッチンの周りは水道管や排水管などがあり、湿度も多くなりやすい場所なので、収納庫の中のものがカビてしまうという事も。。。

このため床下収納で保管する場合は、湿度に強いものを選ぶ必要があります。それに合わせて、除湿剤を置く等の湿気を取り除く工夫もした方が良いです。

最後に

今日は床下収納についてご紹介しました。最近のキッチンは収納容量もかなり増えてきている事や、キッチンの近くにパントリー(兼収納)を設ける事によって一年に数回しか使わないような嵩張るものを収納しておくことも可能ですので、やはり床下収納は必要ないと判断されても問題ないのかもしれません。

しかし、スペースの関係でどうしてもパントリー等を設置できない場合は床下収納という選択肢もアリだと思います。最近は床下収納の提案自体が減っているので、その存在を知らずに家づくりをされる方が多いかもしれませんが、存在を知った上で必要かどうかを考えてみてはいかがでしょうか?