家づくりコラム

  • 構造

家の中で吐く息が白い家を建ててはいけません

明星光紀

廊下が寒くて当たり前は当たり前ではないかもしれません

これまでも今現在もそうなのですが、日本の住宅の暖房は間欠暖房というスタイルが採用されています。間欠暖房とは必要な部屋を必要なだけ暖める事を指します。当然ながらこのような住宅は廊下や水廻りなどの非居室は室内温度が低く、吐く息が白かったり「寒い寒い」と言いながら暖かい部屋から出ていく事になります。

冬だからそれは仕方ないのでは?と多くの方が思うかもしれませんが、実はこれらは当たり前ではないのです。

この症状を解決する方法は断熱性能を高めるという事につきます。今日は断熱性能を高める事によって得られるメリットとその必要性についてご紹介します。

断熱にこだわるメリット

断熱にこだわるとこのような生活を手に入れる事が出来ます。

断熱にこだわる事によって、夏は涼しく、冬は暖かい部屋で過ごせるのは容易に想像がつくと思います。更に室温を下げる事なく家の空気を常に換気してくれるような【熱交換システム】を採用すると天井と床付近の温度差も解消されて、とても快適な空間を手に入れる事が出来ます。

また、断熱にこだわると家全体が魔法瓶のような状態になり、快適な室温を保ってくれるので、穴の開いたバケツに水を注ぐように寒い部屋を暖めようと暖房機器を運転し続ける必要性もなくなる事から光熱費が安くなるというのもご理解頂けると思います。

意外と感じるかもしれないのは【医療費が安くなる】という事です。快適な環境だと風邪をひきやすいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、その考えは完全に時代錯誤です。

というのも実は快適な環境ほど風邪をひきにくい(体調を崩しにくい)という統計がとれているからです。体調を崩さなければ医療費はかかりません。したがって、断熱は医療費の削減に関係しているのです。

断熱性能を高めると費用はいくらくらいかかるのか

シティハウスの住宅は2020年からの新しい断熱基準に適応しているので、追加費用が発生する事はありませんが、更に断熱性能を高めたりするのに仮に30万円かかったとします。30万円は金額だけをみると大きな支出ですが、長い期間で俯瞰的に判断するとそれほど大きな金額ではないのかもしれません。

家は建てたら最低30年は住むはずです。という事は年間1万円(一ヶ月換算すると1000円以下)の設備投資で、快適な生活と安い光熱費・医療費を手に入れられ事になるからです。

最後に

タイトルにも書いたように廊下に出た時に吐く息が白いというのは当たり前と思うかもしれませんが、断熱性能を高めて、しかるべき設備機器を採用すれば決して当たり前ではありません。

吐く息の白い家はヒートショックという家庭内事故を引き起こす可能性もありますし、豊かな暮らしを手に入れるために建てた家が自分や家族の命を奪う事になるのは絶対避けたいところです。

このように書くと大袈裟な表現と思われるかもしれませんが、交通事故よりも家庭内事故の方が多いのが現状ですので決して他人事ではありません。

これからマイホームを建築される方は是非断熱の重要性を認識して頂いて、住宅メーカーの担当者さんと相談しながら快適な空間と健康を手に入れてくださいね。