家づくりコラム
- 資金計画
家づくりは将来のお金の事もしっかり考えて行いましょう
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安易な理由で住宅ローンを借りる金融機関を選んではいけません
住宅ローンを利用する際、どこの金融機関を利用するのかはとても重要な問題です。
- 給料振込や公共料金の引き落としをしているから
- 会社が取引しているメインバンクだから
- 友人や知人が勤めているから
- 不動産業者さんや住宅メーカーに勧められたから
- 同僚や友人の多くが利用しているから
私達が常日頃お客様の応対をさせて頂いていると、このような理由で金融機関を選ぶ方が多いのが正直なところです。
これらが間違いという事は決してないのですが、出来れば融資条件や金利、金利に含まれる生命保険等を冷静に比較した上で決める事をオススメします。
金利が違えば当然ながら支払い利息も大きく変わります
例えば、3000万円を35年返済で借りると仮定して、2つの条件で比較してみます。
条件1:35年間ずっと金利1.46%(アルヒ フラット35 2021年1月実行金利)
- 毎月の返済金額:91,268円
- 総返済額:38,332,560円
- 総支払金利:8,332,560円(総返済額―借入額)
条件2:1〜2年の金利0.35%、3~35年の金利0.5%
- 毎月の返済金額:1〜2年75,903円、3〜35年84,557円
- 総返済額:34,291,560円
- 総支払金利:4,291,560円(総返済額―借入額)
ここ数年7〜8年くらいは条件2のような金利であって、このような低金利がずっと続く事は考えづらいですが、ずっと続くと仮定すると支払利息が4,041,000円も違ってくることになるのです。この差額は大きいですよね。
金利はこのように支払い総額が大きく変わる要因ですので、安易に住宅ローンをきめないようにお気をつけくださればと思います。
返済と並行しながらしっかりお金を貯めませんか?
一定の要件を満たす住宅ローンを利用すると、住宅ローン控除制度によって所得税と住民税が控除されます。この制度をご存知の方は多いと思いますが、これと同時にiDeCo(イデコ)を併用し、節税効果をうまく利用する事よって将来のために合理的にお金を貯めていける事をご存知ない方が結構いらっしゃいます。
ともに30歳で年収300万円ずつのご夫婦が3000万円を金利1%で借りると仮定して2つのパターンで比較してみます。(分かりやすくするために給料はずっとそのままで、それぞれの年間の所得税を6万円、住民税を12万円として試算します)
条件1:夫婦が2分の1ずつの名義にし、iDeCoに月々1万円ずつ60歳まで加入
- 13年間の住宅ローン控除総額:321.88万円
- iDeCoによる30年間の控除総額:108万円
- 合計の節税額:429.88万円
条件2:債務はご主人、奥さんは連帯保証人、iDeCoには加入せず
- 13年間の住宅ローン控除総額:234万円
もちろん、この試算は年収や借入額、iDeCoの掛金によって変わってきますが、名義(持ち分)を分けたこととiDeCoに加入しただけで、195.88万円も手元に残るお金が違ってくることになるんです。(カラクリについて、もう少し知りたい方はご連絡ください)
このように、選ぶ住宅ローンや借り方、そして国の制度を上手に利用する事によって数百万円もの違いが生じるのが、家という大きな買い物なのでです。
そもそもの予算設定から間違えないように気を付けましょう
さらに、もう1つ大切な事は【そもそもの予算設定を間違えない】ということです。資金計画の結果、あなたにとっての理想的な予算が2800万円となれば、その予算の中で買える土地を選び、家を建てるべきです。
しかし、多くの方が理想的な予算の範囲でおさまらないため、その予算を超えて家づくりをしてしまいます。
仮に、600万円予算が増えてしまえば、それに金利を合わせた額が、将来自由に使えなくなる訳(予算内で家づくりが出来れば600万円+利息が自由に使えるという訳です)だし、これに加えて、選ぶ住宅ローンを間違えたり、ローン控除・iDeCoの存在も知ることなく住宅ローンの返済をしてしまうと1000万円以上も可処分所得が違ってくることになるかもしれません。
最後に
家を建てた後の暮らしはもちろん、子供たちの教育費用のこと、自分たちの老後のことまで考え、家づくりだけじゃなくお金についてもしっかり考えて将来への不安を感じることのない家づくりしていただければと思います。