家づくりコラム
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廊下やホールを無くす事の意外な効果
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出来れば家から無くしていきたいものと言えば?
「廊下が欲しいです」という要望をお聞きすることなんてほぼほぼないし、そうしたいと思っている方も
ほとんどいないと思います。
実際、廊下はただ通るだけのスペースだし、廊下があることで家の中に温度差が生まれやすくなります。
温度差が生まれる最たる理由は日本の住宅の冷暖房は必要な部屋を必要なだけ暖めたり涼しくしたりするからスタイルだからです。
また、温度差が大きくなると、冬にヒートショックを起こしやすくなるため、出来るだけ温度差をなくすように設計すべきなのですが、意識しながら間取りや断熱の事を考えないと、知らず知らずの間にたくさん出来てしまうのが廊下やホールなのです。
意識しないとどんどん面積が大きくなる廊下
例えば、2階建ての家を建てる場合、2階に寝室や子供部屋といったプライベートルームを配置することがほとんどのパターンです。当然ながら、それぞれの部屋やトイレに行くための動線を確保しなければいけなくなるため、部屋の形状や配置の仕方によっては廊下がたくさん出来てしまいます。
また、LDKに隣接しない客間(和室)をつくる場合やLDKの外に階段をつくる場合も、必然的に廊下やホールが必要となります。
さらに、収納を通り抜けることが出来る【通り抜け動線】も便利なのですが、この動線をつくれば、収納の中に廊下が出来てしまうため、収納容量が減ってしまう為、注意が必要です。
廊下に対する認識
このように、間取りのつくり方よって、知らず知らずの間にたくさん出来てしまうのが廊下です。
もちろん廊下にも部屋や収納と同じようにコストがかかっています。基礎もあれば、床も壁も天井も屋根、大工手間や各種建材(室内建具等)もあるわけですので。
仮に廊下の建築コストを1坪(2帖)あたり25〜30万円とします。家全体で廊下が3坪(6帖)あれば、知らない間に75〜90万円ものコストがかかっているという事になるのです。
したがって、出来るだけ廊下を減らす事はお家の中の温度差を無くす以外にも建築費用の削減につながるという訳です。
廊下を無くすとプライバシーは問題ないのでしょうか?
しかし、廊下がないということは、部屋と部屋がダイレクトにつながっているという事でもありますので、家族間のプライバシーが、若干守られにくくなってしまいます。
これを「よし」とするかどうかで、廊下の面積が決まってきます。
- 子供が小さいうち
- 子供が思春期になった時
- 子供が家から出て行った後
- 年をとり老後になってから
アナタは、建てたお家で生涯暮らしていくことになります。
したがって、子供が自分の部屋を必要とする数年間だけを見て間取りを考えるのではなく、その先のことや大分先の事まで想いを巡らせて間取りをつくることも大切だと考えています。
最期に
いかかでしたか?欲しいと思っていない廊下にもしっかりコストがかかっている事、家の中の快適も左右している事をご理解頂けたと思います。
最近では玄関を開けるとすぐにLDKが広がるお家もあるくらいです。それくらい生活は多様化していますので、住宅はこうあるべきという概念や思い込みを一度取り払って見つめ直してみるのも良いかもしれませんね。