家づくりコラム
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モジュール(基準寸法)と建物の予算の関係について
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モジュール(基準寸法)にはメートルと尺(しゃく)があります
住宅メーカーから間取りを提案される時に間取りの周りの寸法が記された線が明記されています。
これを寸法線というのですが、実は寸法線にはメートル表示と尺表示の2パターンがあります。メートル(m)やセンチメートル(cm)は私達の生活でもよく使うので、なんとなくイメージが湧きやすいと思うのですが、尺となるとイメージは湧かない方はほとんどだと思います。
尺とは昔から建築業界で使っている寸法です。
- 尺(しゃく)=303mm
- 寸(すん)=30.3mm
- 間(けん)=1818mm(若しくは1820mm)
この3つを組み合わせて寸法を図るのです。従って、尺で作られた間取りは何ミリまで表示されます。(メートルは50mm単位くらいで設計されます。)
では、メートルと尺はどう違うのでしょうか?
メートルはここ20年くらいで出始めてきた基準寸法です。先にも書きましたが、尺に比べるとミリ単位の表示ではなくなるので、とても分かりやすです。そして、何よりのメリットは尺に比べると部屋の大きさが1.2倍になる事です。(階段や廊下も広くなります。)尺にしてもメートルにしても1軒に使う柱の本数は変わらないので、部屋も大きくなるので得した気分になります。
しかし、普及しているかどうかと言えば苦戦しているのが現状です。なぜ苦戦しているのかというと昔から存在している尺に原因があります。
- 各建材メーカーや水廻りメーカーは尺を基準にしている商品が多い
- お見積りをする際に平米に単価を掛ける工種もあるので、金額が割高になる
この理由につきます。工場で生産される建材の多くは尺を基準に作られています。沢山作られるという事は生産上のコストも抑えられるし、在庫も豊富なのです。一時は弊社でも尺からメーターに基準寸法を変えた事がありましたが、今では3/5くらいまで尺モジュールに戻ってきました。(参考までに尺で廊下や階段は幅広にしたい場合は3尺5寸(1062mm)という寸法を採用します)
だからと言って、メーターがダメだと言っている訳ではありません。(依然として人気はありますので)
現在メーターで間取りを検討しているけど、予算を圧縮したい場合などには基準寸法を尺に変更するというのは有効な手段かもしれませんし、良かったら住宅メーカーの担当者さんに問い合わせみてはいかがでしょうか?