家づくりコラム
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金属の外壁と省エネガラスが原因で携帯電話の通話障害を起こします
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金属が携帯電話の電波を跳ね返すようです
新築工事とリフォーム工事、双方の外装材として人気あるのはこの3種類です。
- 窯業系サイディング(以下:窯業系)
- ガルバリウム鋼板
- 金属サイディング(主にリフォームで採用されます。以下:金属系)
常々申し上げているように素材(商品)の特性は一長一短ですので、スマホでしっかり情報を調べて自分達の価値観に合ったものを採用する事に越したことはありません。参考までにこの3種類それぞれの素材のメリットとデメリットを記します。
メリット
窯業系
- デザイン性に優れている
- コストパフォーマンスに優れている(単価が抑えられ、施工期間が早く、デザイン性に富み、遮音性能等も見込める)
- 塩害の恐れがある海沿いの地域でも採用できる
ガルバリウム鋼板
- 無機質なデザインが好きな方にはこの上ない素材
- 窯業系サイディングでおきやすい凍害やコケの問題が発生しにくい(発生しても目立ちにくい)
金属系
- 1枚あたりの重量が軽いので、リフォームの場合は既存の外壁を撤去せずとも既存外壁の上に施工できる(耐震の問題)
- コーキングが不要なので、メンテナンスに有利
デメリット
窯業系
- 凍害(外壁表面が痛んでポロポロ落ちてくる)が起こる可能性があり、日の当たらない北面にはコケが生えやすい
- コーキングを多用するのでメンテナンス費用が発生する
ガルバリウム鋼板
- 薄い鉄板なので窯業系に比べると遮音性能が劣り、物をぶつけると凹んだり傷つきやすい
- 鉄板なので塩害の恐れのある地域には不向き(金属系も同様)
金属系
- デザインや窯業系サイディングに似ているが少しデザイン性は窯業系に劣る
- 割高である
これまでシティハウスでの採用率は窯業系が多かったのですが、最近はガルバリウム鋼板の採用率が高まってきました。理由としてはやはりSNS(InstagramやPinterest等)で良く見かけるからだと思います。
そこで今日はこのガルバリウム鋼板と金属系を採用し、且つ窓に熱斜線をカットするLOW-Eガラスを採用する際に知っておいて欲しい事をご紹介します。
実は電波障害を起こす可能性があります
以前、金属系の外壁にLOW-Eガラスを採用されたお客様から「自宅内では携帯電話で通話できない」という報告がありました。その時は理由が分からず終いでご迷惑をお掛けしたのですが、最近も同様の仕上げ(ガルバリウム鋼板+LOW-E)で建物内に電波障害が生じている事が判明し、色々と調べた結果その理由が分かりました。
原因は建物が金属で囲われている為、電波を跳ね返してしまう事でした。
窓はガラスだし、金属ではないのではないか?と思うかもしれませんが、実はLOW-Eガラスには熱線をカットする為に金属膜が貼られているんです。従って、ガラスでも電話を遮断してしまうという訳です。
この場合の対策について
ではこのような仕上げにすると宅内通話は諦めないといけないのでしょうか?
そんな事はああるはずもなく、建物内に電波を取り入れられるアンテナを建物内外に設置する事によって、宅内でも通話できるようになります。(各携帯電話会社に相談しても対応してくれます)
これから省エネ住宅がより普及していく事は容易に想像できますし、このような不具合に直面する方も増えると思いますので、この仕様で建築をされる方は最初からホームアンテナの設置を検討してみてはいかがでしょうか。